合歓山(標高3,417m、南投県と花蓮県の県境に位置する)が、国際ダークスカイ協会(IDA)が実施する「ダークスカイプレイス(星空保護区)」に台湾で初めて認定された。
IDAの事務局長(Executive Director)であるRuskin K. Hartley氏は、合歓山の「ダークスカイプレイス」認定を祝賀する書簡で、「地元住民と政府が一丸となって協力したモデルケースだ」と称えた。Ruskin K. Hartley氏はさらに、合歓山の「ダークスカイプレイス」認定に向けた運動は、華人社会において重要な影響力を持つものだと強調した。
IDAによると、合歓山の「ダークスカイプレイス」を目指す運動は、2014年に台湾星空守護聯盟によって提唱された。また、アマチュア天文家や台湾中部を拠点に活動する清境観光協会などがこの運動を支援。清境農場(台湾中部・南投県)やその周辺の高速道路の照明が、合歓山の夜空に光害をもたらしており、光害を抑えるためには民間と政府が一丸となって取り組む必要があると訴えた。
4年に及ぶ努力と、「ダークスカイプレイス」認定を巡る各国との競争を経て、南投県は民間団体が運動を継続することで、認定を得ることができると確信。太魯閣(タロコ)国家公園や農業委員会林務局(日本の林野庁に相当)などの協力も得て、2018年、IDAに対して合歓山の「ダークスカイプレイス」認定申請書を提出し、今年になって正式に認定された。
清境農場の近隣で民宿を営む業者によると、100%のゼロ光害を実現するため、各コミュニティが照明を取りかえるなどして、光源を空に向かって照射しないようにした。また、不必要な照射を減らすことで、光害問題を大幅に改善してきた。特に今年の夏に入ってからは、旅行客の多くが山を訪れ、特別な道具を使わずとも、まるでリボンのような天の川や満天の星空の写真を撮ることができるようになったという。
「ダークスカイプレイス」の認定により、合歓山では星団や星雲をはっきり撮影できることを知った外国人が増えた。これらの外国人たちは口々に、ぜひ清境を訪れて暗闇の夜空を楽しみたいと表明しているという。